【専門家が語る】化粧品のオーガニック認証(COSMOS)が「非常に取得が難しい」と言われる本当の理由
- info3720361
- 2 日前
- 読了時間: 5分

●「オーガニックコスメを作りたい!」
●「肌にも環境にも優しい、本格的なオーガニックブランドを立ち上げたい」
近年、ライフスタイルの変化やサステナブルへの関心の高まりから、このようなご相談をいただく機会が爆発的に増えています。
しかし、日本には「これを満たせばオーガニック化粧品」という明確な法律上の基準がありません。極端な話、ケミカルな処方に植物エキスをほんの1滴落としただけでも「オーガニック配合」と謳えてしまうのが日本の現状です。
だからこそ、他社ブランドとの差別化や信頼性の証として「世界のオーガニック認証マーク」を取得したいというニーズが高まっています。ですが、化粧品OEM(受託製造)メーカーの立場から正直に申し上げます。
国際的なオーガニック認証の取得は、私たち製造プロの目から見ても「めちゃくちゃ高難度」のハードミッションです。
今回は、一般の美容ブログでは決して語られない、オーガニック認証マークの裏にある「OEM工場の奮闘とリアルな壁」についてディープに解説します。
1.世界共通の物差し「COSMOS認証」とは?
かつては、フランスの「ECOCERT(エコサート)」やドイツの「BDIH」など、国や
団体ごとにバラバラのオーガニック基準が存在していました。これらが2010年に統合さ
れ、誕生した世界統一の国際基準が「COSMOS(コスモス)認証」です。
COSMOS認証には、大きく分けて2つのグレードがあります。
グレード | 主な基準 |
COSMOS ORGANIC (オーガニック) | 完成品(中身)の20%以上がオーガニック(有機)原料であること。また、使用する植物原料の95%以上がオーガニックでなければならない、最上位の厳しい基準。 |
COSMOS NATURAL (ナチュラル) | オーガニック原料の割合に規定はないが、使用できる成分や製造工程はORGANICと同じ厳しい基準をクリアしているもの。 |
「20%なら簡単そう」と思いましたか?実はここからが、「高い壁」の始まりなのです。
2.認証取得の「4つの高すぎる壁」
認証を取得するには、単にオーガニックのオイルを混ぜればいいわけではありません。
成分、工場、容器、書類すべてに厳しい監査が入ります。
① 成分の壁:「水」はオーガニックにカウントされない
化粧品の成分表を見ると、最初に「水」と書かれていることが多いですよね。化粧水
の多くは9割近くが水です。しかし、COSMOSのルールでは「水や泥(クレイ)など
の鉱物は、『人間が有機栽培した植物』ではないので、オーガニックの割合(%)には
カウントしない」という厳格な決まりがあります。
つまり、水を大量に使う化粧水で「オーガニック20%以上」を達成するためには、
水の代わりに「リンゴ果実水」や「ローズ水」といった植物の蒸留水をベースに使うな
ど、処方を根本から変えなければなりません。もちろん、これらは通常の水より遥かに
コストがかかります。
② 製造工程の壁:ケミカル成分は「1分子」も混ぜない
多くの化粧品OEM工場では、オーガニック製品専用のラインだけでなく、通常の
(ケミカルな)化粧品も製造しています。オーガニック製品を製造する日は、製造を始め
る前に、巨大なタンクやパイプラインを「認証が認めた洗浄剤」だけで徹底的に、丸ご
と丸洗いしなければなりません。前につくった商品のケミカル成分が1分子でも混ざっ
たらアウトだからです。
さらに、工場がどれだけの電力を使い、どうやって廃棄物を処理しているかという、
環境への配慮(環境管理計画)まで監査の対象になります。
③ 容器・パッケージの壁:PVC(ポリ塩化ビニル)は一発アウト
中身のバルクがどれだけ完璧でも、それを入れる容器が環境に優しくなければマーク
はもらえません。
例えば、化粧品でよく使われるプラスチック素材の「PVC(ポリ塩化ビニル)」や、
リサイクルできない多層ラミネート容器などは使用禁止です。環境に配慮された再生プ
ラスチック(PCR)やガラス、植物由来のバイオマスPEなど、使える容器の選択肢は
非常に狭くなります。
④ 書類審査の壁:英語と数字のデバッグ
これが最も地味で、最も過酷な作業です。「このラベンダーエキスは、どこの国のど
の農家が、いつ収穫して、どういう抽出方法(化学溶剤を使っていないか)で作ったも
のか」を証明する書類を、すべての原料分、英語で揃えなければなりません。
さらに、製造時に「何キロの原料を投入し、何個の商品ができ、廃棄は数グラムだっ
たか」を完全に一致させるトレーサビリティ(追跡可能性)が求められます。
3. それでも、ブランドが「オーガニック認証」を目指す価値
ここまで大変な思いをして、なぜ多くのブランドが認証を取得しようとするのでしょ
か?理由はシンプルで、それだけの「圧倒的な価値」があるからです。
「グリーンウォッシング(環境配慮もどき)」と言わせない絶対的な信頼
口先だけで「オーガニックです」と言うブランドが溢れる中、世界基準のマークがつい
ているだけで、消費者は安心して財布を開くことができます。
海外進出の「パスポート」になる
特にヨーロッパやアジアの一部の国では、オーガニック認証への意識が日本以上にシビ
アです。COSMOS認証を持っている商品は、海外への輸出や現地での販売ハードルが
劇的に下がります。
4. まとめ:あなたのブランドの「正解」はどこ?
世界基準のオーガニック認証は、間違いなくあなたのブランドの強力な武器になりま
す。しかし、開発にかかる期間、最低注文数(ロット)、そして認証維持にかかる年間コ
スト は、通常の化粧品開発の数倍になる覚悟が必要です。
大切なのは「最初から背伸びをして世界認証を狙うのか」、それとも「まずは認証なし
で、国産のこだわり天然由来成分〇〇%からスモールスタートするのか」という戦略で
す。
当社ではこれまでの経験を活かして、柔軟にご予算に合わせた「ナチュラル処方」企画
をご提案しています。
「こんなアイデアがあるんだけど、認証は取れる?」
「予算内でどこまでオーガニックにこだわった商品が作れる?」
どんな小さな疑問でも構いません。まずはあなたの「こだわり」を、私たちに教えてくだ
さい。一緒に理想のコスメを形にしましょう。




コメント